就活対策

内定がないまま卒業したら?既卒の就活で「応募できる企業」は71%、採用は43%

新卒の枠は、卒業した時点で閉じるわけではありません。

厚生労働省の調査では、新卒採用枠で募集を行った事業所のうち71%が既卒者の応募を受け付けていました。ただし、そのうち実際に採用に至ったのは43%です。

「応募できる」と「採用される」の間には距離がある。その距離をどう詰めるかの話をします。

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既卒は新卒枠に応募できるのか

制度上は、できます。

厚生労働省は「青少年雇用機会確保指針」で、企業に対して卒業後少なくとも3年間は新卒枠に応募できるよう努めること、そしてできる限り上限年齢を設けないよう努めることを求めています。根拠は青少年の雇用の促進等に関する法律です。

ただし、これは努力義務です。
罰則はありません。実際に受け付けるかどうかは、企業ごとの判断になります。「3年以内なら新卒扱い」と書いている記事は多いですが、全社が従っているわけではないという点は先に知っておいてください。

では実態はどうか。数字があります。

項目 割合
新卒採用枠で正社員募集を行った事業所のうち、既卒者の応募が可能だった 71%
そのうち、実際に既卒者の採用に至った 43%

出典:厚生労働省「労働経済動向調査(令和7年8月)」。令和7年8月1日現在、有効回答3,253事業所。令和6年度新規学卒者の採用枠で正社員の募集を行った事業所が対象。

読み方を分けます。

門は7割開いています。これは思っているより広いはずです。一方で、開いた門のうち実際に人が通ったのは4割強。掛け合わせると、既卒を採った事業所は全体の3割ほどになります。

つまり「既卒だから応募できない」は正しくないが、「応募すれば同じように扱われる」も正しくない。ここが出発点です。

卒業後の選択肢を、条件で比べる

内定がないまま卒業したとき、選択肢はだいたい4つに分かれます。どれが正解というより、何を優先するかで変わります。

選択肢 強み 弱み
既卒として正社員就活 新卒枠に応募できる期間が残っている。職歴の空白が短く済む 収入がない期間が続く。精神的にきつい
アルバイトをしながら就活 収入がある。生活リズムが保てる シフトが入ると就活の時間が削られる
契約社員・派遣 決まりやすい。職歴になる 契約期間の区切りがある。正社員への転換は保証されない
就職留年(在学を続ける) 新卒として就活できる 学費がかかる。卒業できる状況なら選びにくい

ここで一番よくないのは、「決めないまま時間が過ぎること」です。
アルバイトを始めること自体は問題ありません。問題は、就活の時間をシフトで埋めてしまうことです。
週の中で「就活に使う曜日」を先に決めてからシフトを入れると、これは避けられます。

なお「既卒として就活を続けるか、いったん働くか」で迷っている場合、新卒枠に応募できる期間が残っているうちは、正社員就活を優先するほうが選択肢は広いです。卒業後3年という区切りは、指針が示している目安でもあります。

いま動くなら、この順番

1. 応募先の探し方を、新卒のときから変える

就活サイトの新卒版は、卒業年度で絞り込まれます。既卒になると、そもそも表示される求人が減る。

変えるべきは探し場所です。既卒・第二新卒を対象と明記しているサービスを使うと、最初から対象になっている求人だけが出てきます。ここを変えないまま「応募しても通らない」と感じている人は多いです。

2. 空白期間の説明を、1分で話せるようにする

面接で必ず聞かれます。ここは準備で差がつきます。

避けたいのは、言い訳に聞こえる説明と、嘘です。何をしていたか、そこから何を決めたかの2点が入っていれば足ります。就活がうまくいかなかったなら、そう言って構いません。

3. 応募数を先に増やす

既卒の就活は、新卒より1社あたりの通過率が下がります。そのぶん母数が必要です。

「自分に合う会社を探してから応募する」という順番だと、秋以降は特に止まります。先に会う数を増やして、そこから絞るほうが速いです。

4. 書類選考のない経路を混ぜる

既卒でいちばん詰まりやすいのが書類です。職歴欄が埋まらないので、経歴だけで判断されると不利になります。

書類を挟まずに面接から始まる経路があります。集団面接会型のサービスがこれにあたり、経歴ではなく会って判断してもらえるぶん、既卒とは相性がいいです。

既卒・フリーター・中退の方へ

就職カレッジ(ジェイック)

書類選考なしで、複数の企業と面接できる集団面接会が中心のサービスです。対象は18〜35歳。参加者の多くが正社員経験のない層で、既卒・中退・フリーターを前提に組まれています。利用は無料です。

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就職カレッジについては許可番号から企業側の参加条件まで確認した記事で個別に検証しています。定着率の数字が何を指しているかも書いているので、登録前に読んでもらえると。

企業は、既卒の何を見ているのか

「職歴がないから不利」と思っている人が多いのですが、調査を見ると少し違います。

厚生労働省が事業所に聞いた「採用選考にあたり重視した点」(中途採用者・複数回答)はこうなっています。

重視した点 割合
職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神 72.7%
コミュニケーション能力 66.9%
業務に役立つ職業経験・訓練経験 42.3%

出典:厚生労働省「令和5年若年者雇用実態調査の概況」

職業経験を挙げた事業所は42.3%で、3番目です。上位2つは経歴がなくても示せるものになっています。

これは「職歴がなくても大丈夫」という話ではありません。ただ比重の置き方が、思っているのとは違うということです。職歴の空白を埋められない以上、上の2つで判断される場に出るほうが分がいい、という話につながります。

状況別の使い分け

既卒向けのサービスは、性格がはっきり分かれます。1社に絞らず、合いそうなものを2つ試すのが結局いちばん速いです。

当てはまるものから

既卒・第二新卒が使えるサービス

いずれも利用は無料です。

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それぞれの詳しい評判は個別に検証しています。就職カレッジの評判/UZUZの評判/第二新卒エージェントneoの評判

エージェントの仕組みそのものに不安がある場合は、「やめとけ」と言われる理由を先に読んでください。無料で使える理由が分かると、判断しやすくなります。

よくある質問

卒業後3年以内なら本当に新卒扱いですか

厚生労働省が企業に「そうするよう努めること」を求めています。ただし努力義務で、罰則はありません。実際に新卒枠で応募を受け付けた事業所は71%でした。全社ではない、という前提で探してください。

空白期間が1年を超えると厳しくなりますか

期間の長さと採用率の関係を示した公的な統計は見つけられませんでした。ただ指針が示す目安は卒業後3年なので、その範囲内かどうかで応募できる求人の幅は変わります。

アルバイトはしないほうがいいですか

そんなことはありません。収入と生活リズムは就活を続けるための土台です。注意点は就活の時間がシフトで埋まらないようにすることだけです。週の中で就活に使う日を先に決めてください。

職歴がないと面接で不利ですか

企業が重視する点の上位2つは「職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神」72.7%と「コミュニケーション能力」66.9%で、職業経験は42.3%の3番目です。経歴がなくても示せる部分のほうが重く見られています。

既卒向けのサービスは本当に無料ですか

無料です。職業安定法第32条の3第2項により、職業紹介事業者が求職者から手数料を取ることは原則として禁止されています。費用は採用する企業側が払っています。

親に何と説明すればいいか分かりません

いつまでに何をするか、を数字で伝えるのが一番通ります。「3社の面談を今月中に入れる」のような形です。状況より予定のほうが、聞くほうは安心できます。

まとめ

  • 新卒枠で募集した事業所のうち、既卒者の応募を受け付けたのは71%。ただし採用に至ったのは43%
  • 「卒業後3年以内は新卒枠へ」は努力義務で、罰則はない。全社が従うわけではない
  • 企業が中途採用で重視する点は、1位が勤労意欲72.7%、職業経験は42.3%で3番目
  • 詰まりやすいのは書類。書類を挟まない経路を混ぜると通過率が変わる
  • アルバイトは問題ない。就活に使う曜日を先に決めてからシフトを入れる

既卒の就活で効くのは、能力を上げることより自分が対象になっている場所に出ることです。新卒向けのサイトで戦い続けるのが、いちばん消耗します。

どこから手をつけるか決めきれないときは、5問の診断で方向を確認してから登録先を選んでもらえればと思います。

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